店長の独り言:思えばプラモはそこにあった。


新店舗オープン前、どうせならお店の雰囲気に合わせて思いっきり古いキットを並べてお客様を驚かせてやろうと思い、ガンプラの旧キットを売り場面積の半分埋め尽くしましたのですが、その際旧キットのガンプラとREVIVEガンダムの素組を同じケースで並べた時、不思議な感傷に襲われました。

 

私は今年35歳になります、そしてガンプラは35周年。

兄と少し年が離れており(兄は今年42)、当時の空気に漏れずガンダムにどっぷりはまった世代ですから、私が物心ついた時には既にガンプラが常に視界にある生活でした。

それから小学校に行けばBB戦士にはまり、中学の頃には当時まだ新鮮だったHGガンダムに夢中になり、高校に行くまで常にガンプラはそこにある・・・といった感じでした。

それから高校になれば少し色気がつくもので、当時運動部に所属していたという事もあり『模型なんて作ってる暇なんてねぇよ』などとカッコつけにもならないカッコつけをして離れてしまいました。

 

それから高卒で就職し、フリーターになり、もう一度就職し・・・と、冗談ごとではなくプラモを作る時間も心の余裕もなくなったものですが、それでも不思議なもので離れたからこそプラモを常に意識していたような気がします。

 

特別妄信的に夢中になったわけでもなければ、研究心と知識欲で調べたわけでもありません。

 

自分にとってなくてはならないものではありませんでしたが、自分の心の中からプラモという存在が無くなったことは不思議となかったように思います。

 

それから何の因果か脱サラをしてホビーショップを行い、ある日なんの気なしに組み立てたキットをきっかけにして大きな気負いもなく『よし、模型屋をやろう』と決めました。

(もちろん営業方針を変える事そのものには大きなプレッシャーを感じましたが、模型そのものを扱うという事に気後れはなかったように思います)

 

そして話は戻って先日旧キットを組んだ時、なんだか久しぶりに自分の家族に会ったような気がしました。

親兄弟には定期的に会っているわけですからおかしな話ではあるんですが、自分の幼少期から常にそばにいた彼が同じ様な姿でそこに立っていたので、そう感じたのかも知れません。

時代の流れで少し雰囲気は変わっていましたが、この古めかしい店舗で真っ白い彼を見て『なんだよ元気そうじゃないか』と思ってしまいました。

 

生まれてから35年、子どもの頃に見ていた風景はほとんど残っていません。

同じ姿でいる物もほとんどないでしょう。

そんな世の中であっても変わらずそこにあるというのは、実はとても幸せな事なのかも知れません。

 

『懐かしい~!』ではなく『久しぶり!』と言える。

自分の人生を思い返せば常に記憶にある。

 

そう思える旧キットの彼を家族と思ってしまうのも、仕方ないのかも知れませんね。

 

 

 

 

 

 

 


4 thoughts on “店長の独り言:思えばプラモはそこにあった。”

  1. 当時憧れの車も古いでは無く懐かしいと思い それが現役なら「よう!どうした乗らないのか?」と言われているような気がします。「俺は元気だよ。」とエンジンの回転数を上げて応えてくれる感じですよね。

  2. コメントありがとうございます!
    世の中変わっていくのが当たり前ですが、変わらないものがあるのも嬉しいですよね

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